6月の読書まとめ

2022年6月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5189ページ
ナイス数:307ナイス

https://bookmeter.com/users/449562/summary/monthly/2022/6
■日本人の給料はなぜこんなに安いのか ~生活の中にある「コスト」と「リターン」の経済学~ (SB新書)
新型コロナ流行直前の2019年刊行の新書。何故日本人の給料は安いのかの説明は第一章のみで、あとは年金、大きな買い物、賃貸対持ち家の話。では何故給料が低いのか、製造業か多い、人材の流動性が低い、給料の上方硬直化、人事評価の不徹底などが挙げられる。いま現時点では年金は払い損にはならない。国保の人は付加年金にも入ったほうがよい。賃貸と持ち家を比較した場合、賃貸の人は投資などで資産形成をしたほうがよい。給料を増やすなら「転職」「独立」「副業」。投資はインデックスへ。★2.5
読了日:06月24日 著者:坂口孝則
https://bookmeter.com/books/14554809

■それでもこの世は悪くなかった (文春新書)
直木賞作家、佐藤愛子さんのエッセイ的?回顧録的?な、2017年の刊行の新書。父は作家の佐藤紅緑、異母兄にサトウハチローという家族も凄い。一人で出来る仕事をという事で始めた小説家という生業も持って生まれた才能と惜しみない努力で数々の文学賞を手にしている。女性ながらなにやら破天荒な性分らしく、松本清張、北杜夫などとの交友も面白い。ハチローの詩の先生であった福士幸次郎さんの「感謝」という詩と福士さん自身の死に纏わるエピソードが涙を誘う。現在は98歳の佐藤さん。大正、昭和、平成、令和とまだまだお元気でいて欲しい。
読了日:06月23日 著者:佐藤 愛子
https://bookmeter.com/books/11296007

■九条という病 – 憲法改正のみが日本を救う – (ワニブックスPLUS新書)
平積みになっていたので購入。MAD(狂人の意味ではなく)とは核相互確証破壊という意味である。要するに核攻撃を行えば必ず自分も核攻撃され、確実に双方共全滅するという考え方である。このMADによって米ソ冷戦は成り立っていた。核攻撃は原子力潜水艦からが最も有効で、全ての原潜を双方が把握出来ない以上、仮に片方だけに一隻残っていた場合、片方のみ攻撃可能となる。ロシアによるウクライナ侵攻で、いまや日本はこれまで以上に憲法改正の機運が高まるはずだが、日本人の国民性を考えると喉元過ぎれば何とやらなのかもしれない。★3
読了日:06月21日 著者:西村 幸祐
https://bookmeter.com/books/19725468

■インターネット (岩波新書)
インターネット黎明期に大きく関与した村井純さん著。インターネットと広告の関係がリレハンメル冬季五輪が機運を高めたことは知らなかった。JUNETと企業間の接続に岩波書店に協力してもらったことなど黎明期を過ごした著者ならではの話も痛快だった。著者はこの頃(27年前)からすでに、インターネットとテレビの関係を考えており、さすがの先見だ。だがこの頃のPC性能のウン千倍?の処理能力を持ち、インターネットに常時接続されたスマートフォンを一人ひとりが掌にして生活していることまでは予見出来なかったであろう。★4
読了日:06月19日 著者:村井 純
https://bookmeter.com/books/514651

■信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変 (幻冬舎新書)
前半は本能寺の変を画策し明智光秀に謀反を起こさせたのは近衛前久であるという仮説を著者が説明している。また秀吉も信長暗殺計画を耳にしていたが知らぬふりで毛利と和議を交わし難なく中国大返しを果たしていると。後半は戦国時代から大阪の陣までにおけるイエズス会とキリシタンについての説明が多いので流して読んでしまった。あとは自分の本の宣伝も多い印象だった。仮説ではあるが同意する部分も多く、知らなかったことも多々あり面白く読んだ。★2.5
読了日:06月18日 著者:安部 龍太郎
https://bookmeter.com/books/13037970

■新書がベスト (ベスト新書)
2010年に発行された小飼弾さんの生き残りたければ新書を読めという本。書籍の理想形が新書、新書以外は買わなくていい。本を読むことが強みになるかどうかの境目は1000冊、まずは新書用の本棚を買うところからはじめる。どんどんダメ本に当たるのもいい。読んだらアウトプットするのが大事である。タイトルと目次から内容を想像し先入観を持って読めば自分と違う作者の意見が出てきて面白い読書になる。ハードカバーは捨てるつもりで買う。トイレでも読める「トイレ本棚」を充実させる。村井純さんの「インターネット」を買いに行こう。
読了日:06月18日 著者:小飼 弾
https://bookmeter.com/books/596512

■鋼のメンタル (新潮新書)
面白かった。”Stick to your bush” 動き回らず自分の居場所で勝負する。喜怒哀楽があっていいじやないか、100年経てば誰もいなくなるし、その悩みなんて泡沫のようなもの。フランクルの「夜と霧」や、その他映画からの引用もあり同意する部分も多々あり。「永遠の0」の誕生秘話なども面白かった。著者自筆の挿絵も可愛らしい。★4
読了日:06月17日 著者:百田 尚樹
https://bookmeter.com/books/11096766

■海の見える理髪店 (集英社文庫)
6話からなる短編集。「遠くから来た手紙」「今日も空はスカイ」が良かった。表題作は先日NHKBSでドラマ化されていた。直木賞受賞作
読了日:06月16日 著者:荻原 浩
https://bookmeter.com/books/13745684

■【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術 (朝日新書)
リスク資産は全て全世界株式インデックスファンドに投資する。投資とは買ったり売ったりするものではなく、持っている(ほったらかす)こと。投資は勝ち負けではない、止めないことが大事。「長期投資」「分散投資」「ローコスト(手数料が安い)」が投資の三原則。信託報酬の上限は年0.25%以下、購入時手数料、信託財産留保額は無料の商品が良い。iDeCo,NISAなどの説明もありこれから投資を初めてみたい人はまず読んでみたらいい。若いときに投資を開始したら今流行りのFIRE出来る? ★3
読了日:06月15日 著者:山崎 元,水瀬ケンイチ
https://bookmeter.com/books/19380215

■他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)
★2.5 他人とタイトルにあるが、夫婦間親子間の例が多い印象です。攻撃的な輩は常にターゲットに罪悪感を巧妙に植え付ける。それは自分自身の過ちが問われないようにするため。周囲を脅したり、恐怖を与えるのは自分自身が他者を恐れているからであって、攻撃欲の強い輩は実は臆病な意気地なしである。攻撃的な輩は他人の幸福が羨ましくて歯軋りしたいほどなのである。しかし「根性曲がりにはつける薬は無い」のである。このような輩を冷静に観察し、関わらない、話さない、逃げるが勝ち、なのだ。
読了日:06月14日 著者:片田珠美
https://bookmeter.com/books/7779333

■新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫)
火付盗賊改方長官である長谷川平蔵こと「鬼の平蔵」またの名を「鬼平」が大活躍するかと思いきや、盗賊側のストーリーが多かった。中には最後にひっくり返る結末もあり楽しく読めたが、鬼平を中心としたストーリーももっと読んでみたくなる。2巻目に期待してみよう。★2.8
読了日:06月13日 著者:池波 正太郎
https://bookmeter.com/books/574076

■死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
伊藤忠の元社長である丹羽宇一郎さんの著書。無駄な読書は存在しない、何か一つのフレーズでも見つければそれは自分の糧なる。まず目次を見て本の内容を判断し読むか読まないかを決める。自分は何も知らないことを知る(無知の知)教養を磨くものは何か?仕事と読書と人だと。これは重要だと思った部分は線を引いたり付箋を貼ったり、あとでノートに転記するのも良い。それが自分の血肉となる。★3

読了日:06月11日 著者:丹羽 宇一郎
https://bookmeter.com/books/12135858

■八本目の槍 (新潮文庫)
賤ヶ岳七本槍と称された豊臣家臣と八本目の槍、佐吉(石田三成)の短編連作小説。七本槍とは虎之助(加藤清正)、助右衛門(糟屋武則)、甚内(脇坂安治)、助作(片桐且元)、孫六(加藤嘉明)、権平(平野長泰)、市松(福島正則)の7人。そして佐吉を含め、少年時代を小姓組として過ごした8人が豊臣家存亡を賭け、成長し大名となってもそれぞれの立場で大御所家康と対峙する。加藤清正、福島正則はよく耳にする武将だがその他の5人は詳しくないので理解出来るか不安もあったがグイグイ引き込まれた。三成が関ケ原で勝っていたらと妄想する★4
読了日:06月10日 著者:今村 翔吾
https://bookmeter.com/books/19615892

■心の病が職場を潰す (新潮新書 588)
2014年の本 香山リカ氏が使用し始めたという「新型うつ」という言葉が多く出てくるが現在はあまり聞かない用語であるように思える。現在は「抑うつ状態(適応障害)」という言葉で表現されることのほうが多いと感じる。終身雇用制度が終焉し、新型コロナ、自然災害、ウクライナ戦争など、令和に入り世界は大きく変化し、その変化は留まることを知らない。ストレスフルな現代社会においてメンタルがダウンしてしまうのも仕方のないことだと思うが、その中でも睡眠と心理的安全性を確保するのが肝要だろう。★3
読了日:06月09日 著者:岩波 明
https://bookmeter.com/books/8276900

■ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書 (中公新書 (252))
斉藤孝著「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていた一冊。凄い内容だった。戊辰戦争での会津落城、家族等の自害、斗南での餓死寸前の苦労など、自分の子供等にも読ませたい一冊でもある。捕虜として東京に移送されるとき、「見せ物になるくらいなら百姓になる」と言うも、「薩長が何をするか見届けよ、辱めを受ければ切腹せよ」と兄に促され「余うなだれてこれに従う」と少年らしい可愛らしい一文もあり。維新から太平洋戦争の敗戦まで、会津人魂で駆け抜けた柴五郎の物語。
読了日:06月08日 著者:
https://bookmeter.com/books/407246

■アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)
★3.5 少しずつ繋がっている短編。最後の伏線回収は流石の伊坂本。高校時代の復讐を実行するか?しないか?「メイクアップ」が良かった。映画を何故か先に見ていたので所々に俳優陣の顔がチラチラ出て来てしまう。面白く読んだ一冊。
読了日:06月08日 著者:伊坂 幸太郎
https://bookmeter.com/books/12136344

■キネマの神様 (文春文庫)
当初志村けんが出演予定だった映画の原作。この映画に志村が出ていたら絶対に見に行っただろう。大切な人と劇場で観る映画が人生最良の映画だとキネマの神様に言われてしまいました。女性をリスタートさせる物語が上手い原田マハさん、他も読んでみたい。あ、あと映画も見ないとですね。★4
読了日:06月06日 著者:原田 マハ
https://bookmeter.com/books/3194432

■流浪の月
★3 誰にも理解されない思いを抱えて生きるのは辛いこと。でもただ一人だけ、自分の大切な人が理解してくれるのなら世界中どこででも生きていける。映画も見てみよう。
読了日:06月05日 著者:凪良 ゆう
https://bookmeter.com/books/14094683

■ジャイロスコープ (新潮文庫)
安定の伊坂ワールド ★2.5
読了日:06月03日 著者:伊坂 幸太郎
https://bookmeter.com/books/9762693

■それでも空は青い (角川文庫)
短編7本。帯にはかなりの感動作的なにおいをさせ平積みになっていたので手に取る。1~3くらいは好みではなかったが4~7はなかなか良かった。この間NHKBSで「海の見える理髪店」のドラマ化したものを観たので荻原浩さんは気になっていた。今度は「海の~」も読んでみよう。⑦の「人生はパイナップル」がお勧め。祖父と孫の物語で最後はホロリ。野球がたくさん出てくる話が多いのも良し。さわやかな後読感と余韻が印象的だった。★3.5
読了日:06月02日 著者:荻原 浩
https://bookmeter.com/books/18850705

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